
『最新がん治療: がん治療法の21世紀型革新』
著者の坂口先生(東京理科大学名誉教授)は、幼少期はエジソンのような「なぜなぜ」坊やだったのではないかと想像する。
自然界にある不思議な事に興味を持ち、それまでの常識と言われる理論や理屈では納得せず、自身が納得できるまで、その根本を探求しようとする少年ではなかったかと推測する。
というのも、先生の研究姿勢は、過去の先達の研究を参考にはしても、そこに捉われることなく、基本的な原理や根本から問い直し、ゼロから研究を行ってきているからである。
その成果として、一般的な研究者が生涯論文数30報程度なのに、坂口先生は300報となんと10倍もの論文を発表している。
また、論文を発表して終わりではなく、その研究をベースにして産業化するための製品開発なども数々手掛けていて、なお年老いて益々盛んな生涯現役のバリバリの研究者である。
その情熱は、どこから来るのか? 幼少時代の原体験もあると思うが、この国の未来をより良く変えたい、患者を救いたいという燃え滾る熱い思いの所以なのだ。
この著作も、そういった熱い情熱と常識に捉われることのない深い研究心の発露の一貫としてSQAP(レブリチン)を多くの方に知っていただくためである。
坂口先生達が開発したSQAP(レブリチン)は、今後がん畜・がん患者への朗報となるだけでなく、行き詰っているがん治療の新たなコンセプトとシステムをも創出しようとしている。
がんサバイバーである私も、この治療法がヒトに活かされる日を、心待ちに見守っていきたいと思う。
一般の方には、かなり難解な分子生物学の内容も含まれているが、がんの治療を取り巻く状況も含めて、「がん」がどのようなものか読めば必ずご理解いただけると思う。
ご理解できるまで何度でも読む価値のある一冊となっている。
手に取っていただければ幸いである。
著者
東京理科大学 名誉教授 坂口 謙吾